テレワークの導入で使える助成金として、トップページで3つの助成金を紹介しました。
- 人材確保等支援助成金(テレワークコース)
- 業務改善助成金(2021年8月からの特例)
- IT補助金(特別枠 D類型)

でも、そんな助成金はもう知ってるよ~
という声にお応えしまして、この記事では、テレワーク導入と関連づけた助成金としては、あまり知られていない助成金を解説します。
無期雇用の労働者を雇用していれば、企業規模に関係なく法人/個人事業主が使える助成金ですので、ぜひ読んでください。
(有期雇用の労働者しかいない場合は、さらに条件があります。後で解説します。)
令和3年度 治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)
概要
- 事業者の方が、労働者の傷病(※1)の特性に応じた
- 治療と仕事の両立支援制度(※2)を導入した場合に
- 事業者が費用の助成を受けることができる制度です。
申請要件
簡単に説明しますと、次の2つの両方を満たした場合に助成されます。
- 両立支援コーディネーターの配置
- 新たな両立支援制度の導入
これだけでは余りにもザックリし過ぎていますので、もう少し詳しく解説します。
事業者の要件
次の1~4の要件を全て満たす必要があります。
- 労働保険の適用事業場(労働保険適用事業場検索 で該当する事業場)であること
- 労働保険料の滞納が無いこと(猶予が認められている場合を除く)
- 過去に「両立支援コーディネーター」の配置を要件とする助成金を受給していないこと
- 支給要領 第3条の2の不支給要件に該当していないこと
両立支援コーディネーターの要件
次の1~4の要件を全て満たす必要があります。
- 両立支援コーディネーター基礎研修(令和2年度 or 令和3年度)を受講・修了している労働者であること(経営者・役員は不可)
- 基準日(※後で説明します)時点で、1年以上継続雇用することが確実であると認められる労働者であること(無期雇用なら問題なし。有期雇用なら基準日時点から1年以上の契約期間が必要)
- 両立支援コーディネーター基礎研修の費用(交通費・宿泊費など)が発生する場合は、事業者がこれを全て負担していること(令和2年度・令和3年度はオンライン開催なので、おそらく発生しないと思われますが、研修時間の賃金負担は必要です。所定労働時間内であれば特に賃金を追加する必要はないです。)
- 両立支援コーディネーターを配置したことを事業場内に周知すること
両立支援制度の要件
次の1~2の要件を全て満たす必要があります。
- 傷病を抱える労働者に対して、傷病に応じた反復・継続した治療のための配慮を行う制度であること(「新たに」設ける必要があります。既存の制度は不可です。)
- 1の制度が実施されるための合理的な条件が労働協約または就業規則に明示および労働基準監督署に届出(労働者10人未満の事業場では労働者全員に周知)されていること
1について、具体的な規定例が公表されていますので、参考になると思います。
≫ 治療と仕事の両立のための就業規則規定例集(2019年8月 独立行政法人労働者健康安全機構 神奈川産業保健総合支援センター)
基準日とは
次の1,2のうちいずれか遅い方の日です。
- 両立支援コーディネーターを配置した日(=両立支援コーディネーター基礎研修修了日)
- 両立支援制度を導入した日(=【原則】新たに両立支援制度を定めた就業規則の施行日)
申請期間
助成額
1企業または1個人事業主あたり一律20万円です(1回限り)。
他の助成金と違って次のメリットがあります。ぜひ活用して頂きたいと思います。
- 助成金の使用用途が限定されていない
- 先に費用を支出しなくてもよい(ほとんどの助成金が経費助成なので)
- テレワークを実施する前に申請できる
公式ホームページ
詳しくは独立行政法人労働者健康安全機構のホームページをご参照ください。
≫ 令和3年度 治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)はこちら
むすび
この記事では、テレワークを導入しようとお考えの事業主に対して、治療と仕事の両立支援に資する制度としてのテレワークの助成金を紹介しました。
過去記事「傷病等を抱えた従業員からテレワークの希望があったとき」のように、在宅勤務制度があれば、スムーズにテレワークして頂くことができると思います。
参考になりましたら嬉しいです。