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テレワーク(在宅勤務)者からレンタルオフィスの利用希望があったとき

レンタルオフィス ルールづくり

労働者がテレワーク(在宅勤務)を続けるのが難しいと感じる理由として、自宅の就労環境が良くないことが挙げられます。

【自宅の就労環境が良くない】

  • 家族がいるときに、仕事に集中しずらい
  • 自宅のインターネット環境が良くない
  • 作業環境(明るさ・室温・湿度・デスク・椅子等)が整っていない

会社からテレワーク(在宅勤務)を命じているのですが、ある日労働者から申出が有りました。

自宅の就労環境が良くないので、個室のレンタルオフィスを利用したいです。

会社としては、対象者を限定した上で、労働者が個人で契約するレンタルオフィス利用料に対する補助(上限額あり)をしようと考えています。

この補助額について、賃金・税金・労働保険料・社会保険料の取扱いを教えてください。

レンタルオフィス利用料と賃金・税金・労働保険料・社会保険料について

労働基準法(割増賃金の算定基礎)

この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。(労働基準法 第11条)

レンタルオフィス利用料に対する補助は、支給要件は明白ですが労働の対償ではなく、実費弁償的(領収書精算などで実費精算するもの)ですので、労働基準法上の賃金にはなりません。

労働基準法上の賃金ではないので、残業手当や休日手当など割増賃金の算定基礎にも含まれません。

なお、レンタルオフィス利用料の補助額に上限を設ける場合は、レンタルオフィス利用料の一部を労働者が負担することになりますので、別記事で紹介しましたように、就業規則等に費用負担を定める必要があります。

税金

「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)(令和3年1月:令和3年5月31日更新)」より、国税庁の見解は次の①と②の条件を満たす(実費精算)なら、源泉所得税の課税対象外になるようです。

従業員が、勤務時間内に自宅近くのレンタルオフィス等を利用して在宅勤務を行った場合、

  • ①従業員が在宅勤務に通常必要な費用としてレンタルオフィス代等を立替払いし
  • かつ、
  • ②業務のために利用したものとして領収書等を企業に提出してその代金が精算されているものについては、

従業員に対する給与として課税する必要はありません。

(企業が従業員に金銭を仮払いし、従業員がレンタルオフィス代等に係る領収証等を企業に提出し精算した場合も同じです。)

≫ 在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)国税庁

労働保険料・社会保険料

「『標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集』の一部改正について(事務連絡 令和3年4月1日) 」より、厚生労働省の見解は次の①と②の条件を満たす(実費精算)なら、労働保険料・社会保険料の算定対象外になるようです。

労働者が、事業主が業務上必要であると認め勤務時間内に自宅近くのレンタルオフィス等を利用して在宅勤務を行った場合、

  • ①労働者が在宅勤務に通常必要な費用としてレンタルオフィス代等を立替え払いし、
  • かつ、
  • ②業務のために利用したものとして領収証等を企業に提出してその代金が精算されているものについては、

社会保険料・労働保険料等の算定の基礎には含まれません。

(企業が労働者に金銭を仮払いし、労働者がレンタルオフィス代等に係る領収証等を企業に提出し精算した場合も同じです。)

≫ 事務連絡 令和3年4月1日 厚生労働省

注意点

また、労働者が在宅勤務に通常必要な費用として使用しなかった場合でも、その金銭を企業に返還する必要がないものであれば、

(例えば、企業が労働者に対してテレワーク手当などの名目で毎月 5,000 円を渡し切りで支給するもの)

  • 労働基準法上の賃金(割増賃金の算定基礎)になる
  • 税金の課税対象になる
  • 労働保険料・社会保険料の算定基礎になる

ので、ご注意ください。

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