個人事業主とマイクロ法人の二刀流(個人事業主+マイクロ法人)で事業を運営している場合、確定申告はどうなるのでしょうか?
結論から言いますと、確定申告は2回必要です。
個人事業主としての所得税の確定申告(3月15日期限)と、マイクロ法人としての法人税の確定申告(決算日から2ヶ月以内)、それぞれ別々に申告しなければなりません。私も実際に二刀流で事業を運営しており、毎年2回の確定申告を行っています。
この記事では、実際の申告の流れ、注意すべきポイント、会計ソフトの活用方法まで、実体験をもとに解説します。
二刀流だと確定申告が2回必要な理由
個人事業主とマイクロ法人では確定申告の種類が違う
個人事業主:所得税の確定申告
- 申告期間:毎年2月16日〜3月15日
- 対象:1月1日〜12月31日の所得
- 提出先:納税地の税務署
マイクロ法人:法人税の確定申告
- 申告期限:決算日から2ヶ月以内
- 対象:事業年度の所得
- 提出先:本店所在地の税務署

えーっ!1年に2回も確定申告をしないといけないのですか!これは大変そうですね。

「1年に2回も確定申告が必要」と聞くと大変そうかもしれませんが、法人の決算月を個人の確定申告の時期と重ならないように調整すれば、それほど大変ではありませんよ。

なお、余談ですが、私の大失敗エピソードを紹介します。
私の場合10月下旬の日に会社を設立しましたので、決算月も1年後の10月でいいかと思って決算月を10月で税務署に届け出ました。
すると10日も経たないうちに税務署から「確定申告してください!」と連絡がありました。開業届の手続きで発覚したのですが、もう取り消せないので一旦確定申告した上で、決算月を9月に変更する手続きをしました。このときは、無収入かつ1ヶ月未満での決算なので法人住民税均等割が無くてホッとしました。
ですので、次の確定申告までの期間を最長にしたい場合は、開業した月の前月を決算月にしましょう。
法人住民税(均等割)は月割りですので、開業した月に関係なく個人事業の確定申告と重ならない時期を決算月にするのをお勧めします。
個人事業・マイクロ法人、それぞれの確定申告で提出する書類
個人事業主の確定申告
所得税
内容は個人の事業内容や状況により、さらに提出書類が増えますが、共通するものとしては以下の書類があります。
- 申告書(第一表および第二表)
- 青色申告決算書(一般用・不動産所得用)→会計アプリで簡単に作成できます!
- 各種控除の証明書類(提出省略・別途提出)
消費税
課税事業者(2割特例)の場合
- 申告書(一般用 第一表・第二表)
- 付表6 税率別消費税額計算表 [小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置を適用する課税期間用]
- 課税売上高計算表

私は、会計アプリで青色決算書を作成して、申告書は「国税庁確定申告等作成コーナー」で作成しています。例年、年明け初日から公開されていますので、早め早めに入力して頂くことをお勧めします(途中で保存し、再開できます)。
私は、先にe-Taxで消費税の申告をしてから、所得税の申告をしています。消費税の納税額を先に確定させるためです。
マイクロ法人の確定申告
所得税・消費税
- 法人税申告書(別表一〜別表十六など)
- 決算報告書(貸借対照表、損益計算書)
- 法人事業概況説明書
- 事業年度分の適用額明細書
- 消費税申告書(課税事業者の場合)
私の場合、法人ではインボイス登録していませんので、法人の消費税の申告書類についてはあまり詳しくありませんので、項目をまとめました。
法人住民税
- 道府県民税・事業税・特別法人事業税・地方法人特別税の確定申告書
- 基準法人所得割額及び基準法人収入割額に関する計算書
- 欠損金額等及び災害損失損金額の控除明細書
- 市町村民税の確定申告書
実際の作業スケジュール(年間タイムライン)

私の法人は9月決算なので、9月末に決算締め、11月末までに法人税申告書を提出しています。個人の確定申告(3月15日まで)とは時期がずれるので、同時に作業することはありません。
| 月 | 個人事業 | マイクロ法人(9月決算) | <参考>個人住民税・普通徴収 |
|---|---|---|---|
| 毎月 | 日々の記帳、月次決算 | 日々の記帳、給与計算、社会保険料納付、月次決算 | – |
| 2〜3月 | 確定申告(所得税・消費税) | – | – |
| 6月 | 予定納税(第1期・対象者のみ) | 源泉徴収税納付(1月〜6月分) | 住民税(第1期) |
| 7月 | – | 算定基礎届 | – |
| 8月 | 個人事業税(第1期・対象者のみ) | – | 住民税(第2期) |
| 10月 | – | – | 住民税(第3期) |
| 10〜11月(決算月9月の場合) | – | 法人税申告、株主総会 | – |
| 11月 | 個人事業税(第2期・対象者のみ) | – | – |
| 12月 | 予定納税(第2期・対象者のみ) | 源泉徴収税納付(7月〜12月分)、年末調整 | – |
| 1月 | 年次決算 | 給与支払報告書、源泉徴収票 | 住民税(第4期) |
| 随時 | – | 事前確定届出給与(支給・変更時)、社会保険随時改定(該当時) | – |
二刀流の確定申告でよくある疑問と注意点
- Q個人と法人で同じ経費を計上してもいい?
- A
NG。二重計上になります。どちらで使った経費かを明確に区分する必要があります。
- Q個人事業で赤字、法人で黒字の場合は?
- A
それぞれ独立して申告します。個人の赤字を法人の黒字と相殺することはできません。
- Q会計ソフトは個人と法人で別々に契約が必要?
- A
クラウド型は通常別契約が必要です。ただし、弥生会計デスクトップ版なら1つのソフトで両方管理できます。詳しくは後述します。
- Q税理士に依頼した方がいい?
- A
二刀流は複雑なので、最初は税理士に相談することをおすすめします。ただし、私のように会計ソフトを使えば自分でも十分対応可能だと思います。
二刀流の確定申告を効率化する会計ソフトの活用方法

個人事業主とマイクロ法人の二刀流で確定申告を効率化するには、適切な会計ソフトの選択が重要です。
| 個人事業 | マイクロ法人 | |
|---|---|---|
| 弥生会計(デスクトップ版) | 弥生会計26スタンダード | 弥生会計26スタンダード |
| 弥生会計(クラウド版) | やよいの青色申告オンライン
| 弥生会計Next |
| マネーフォワードクラウド | マネーフォワードクラウド確定申告
| マネーフォワードクラウド会計
|
会計ソフトでできること
- 日々の記帳(仕訳入力)
- 残高試算表の自動作成→現時点での貸借対照表と損益計算書を確認できるので便利です!
- 決算書・申告書類の自動作成
- 電子申告(e-Tax)対応
- 過去データの保存・参照

私はデスクトップアプリの弥生会計26スタンダードを使っています。クラウド型アプリとの比較については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ:二刀流の確定申告は準備が大切です
この記事の内容をまとめます。
- 個人事業主とマイクロ法人では確定申告が2回必要
- ただしマイクロ法人の決算月と重ならないように調整すれば十分に対応可能
- 日々の記帳を習慣化することが最も重要
- 会計ソフトを活用すれば、自力でも十分対応可能
- 不安な場合は税理士に相談するのも選択肢

確定申告をスムーズに進めるためには、自分に合った会計ソフトを選ぶことが重要です。二刀流に最適な会計ソフトの選び方は、以下の記事をご覧ください。

法人の設立については、以下の記事をご覧ください。






