マイクロ法人を設立して、一番苦労したのが法人名義の銀行口座の開設でした。
新設法人、しかもバーチャルオフィス利用となると、「審査に通るのか?」という不安はつきものです。私の場合、別に解散した株式会社の一部の事業を新しい合同会社に承継したという、少し特殊な事情もありました。
結果として、GMOあおぞらネット銀行で無事に法人口座を開設できました。申し込みから約6日での開設です。
この記事では、申し込みから開設までのリアルな流れ、提出書類、追加で求められた対応、バーチャルオフィスでの注意点まで、すべて体験ベースでお伝えします。
これからマイクロ法人の口座開設を考えている方の参考になれば幸いです。
GMOあおぞらネット銀行を選んだ理由
法人口座を開設する銀行を選ぶにあたって、私が重視したポイントは3つです。
1. 社会保険料の口座振替に対応していること(最重要!)
マイクロ法人であっても、社会保険に加入すれば毎月の保険料納付が発生します。口座振替に対応している銀行でないと、毎月の納付が手間になります。GMOあおぞらネット銀行は社会保険料の口座振替に対応しており、これが決め手になりました。
2. 審査期間が短いこと
法人設立直後は何かと手続きが重なります。口座開設に何週間もかかるのは避けたいところでした。
3. インターネットでリアルタイムに操作・確認できること
ネット銀行ならではの強みですが、残高確認や振込がいつでもできるのは実務上とても助かります。
次点候補はゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行も検討しました。理由は、取引先のA社からの報酬を受け取る際に天引きされる振込手数料が安いことでした。法人口座への振込手数料は受取側が負担するケースがあり、振込手数料の安さは無視できません。
ただし、ゆうちょ銀行は審査に約1ヶ月かかるという情報があり、これがネックでした。
なお、後からA社には報酬のキャリーオーバー(繰り越し)機能があることを知りました。振込回数を減らせるので、振込手数料の問題はそれほど大きくなかったかもしれません。これは先に気づいていればよかったと思っています。
申し込みから開設完了までの時系列
実際の流れを時系列でまとめます。
1日目:申し込み
GMOあおぞらネット銀行のウェブサイトから法人口座の開設を申し込みました。申し込みフォームはわかりやすく、迷うことなく入力できました。本人確認はセルフィーで問題なく完了しています。
この時点で提出した書類については、次のセクションで詳しく説明します。
2日目:追加書類の連絡(20時)
翌日の夜、「直近の事業の実態がわかる資料」の追加提出を求める連絡がありました。
新設法人の場合、事業の実態を示す直近の資料が手薄になりがちです。ここが一番のハードルでした。追加で何を提出したかは、次のセクションで詳しく説明します。
5日目:審査中の連絡(20時)
審査が続いている旨の連絡がありました。(3日目と4日目は土日で銀行休業日でした。)
正直なところ、「審査に落ちるのではないか」とかなり不安になりました。新設法人でバーチャルオフィス、しかも事業承継という特殊な事情があるため、心配は尽きません。
6日目:開設完了!(20時30分)
前日までの連絡がいずれも20時ちょうどだったので、この日も20時にメールを確認しました。
……来ていない。
「いよいよダメだったか」と覚悟し始めた20時30分、開設手続完了の連絡が届きました。
この安堵感は、経験した人にしかわからないと思います。
申し込みから土日を挟んで約6日で開設完了。GMOあおぞらネット銀行の審査期間として、ひとつの参考にしてください。
提出書類と追加対応の詳細
GMOあおぞらネット銀行では、法人口座開設にあたり「事業内容確認書類」の提出が必要です。
申し込み時に提出した書類
私の場合、新しい合同会社に承継した事業はアフィリエイト事業でした。
| 書類 | 内容・補足 |
|---|---|
| ホームページ | 新法人用に取得したドメインで1ページのみのサイトを作成 |
| B社(ASP)の支払通知書 | 3ヶ月以上の運営実績を示すため、解散法人名義のもの(3ヶ月分)を提出 |
| 事業承継に関する説明資料 | 解散法人の株主様向けに、事業を新設法人に承継したことを説明する資料 |
ポイントは、新設法人には実績がないため、解散法人での事業実績を活用したという点です。
追加で求められた書類(2日目)
申し込み時の書類について、「直近のものがない」と指摘を受けました。
解散法人名義の支払通知書は取引年月が2ヶ月前のものだったため、より最近の事業活動を示す資料が必要だったのです。
追加で提出したのは以下の2点です。
- A社(ASP)の銀行口座開設申し込み当月の管理画面・広告単価のスクリーンショット
- 事業を解散法人から新設法人に継承したことをA社が承認し、名義変更の手続き完了通知(メール)
画面のスクリーンショットやメールでも書類として受け付けてもらえるということは、この追加依頼で初めて知りました。正式な書類だけでなく、事業が動いていることを示せるものであれば柔軟に対応してもらえるようです。
提出書類のポイント
審査を通じて強く感じたのは、「事業の実態があるかどうか」が最も重視されているということです。
新設法人は実績が少ないため、今ある材料で事業が実際に動いていることを示す工夫が大切です。ASPの管理画面やメールのやり取りなど、手元にある「生きた証拠」をかき集めて提出しましょう。
バーチャルオフィスでも大丈夫?審査のポイント
「バーチャルオフィスだと法人口座の審査に通らないのでは?」という不安をお持ちの方は多いと思います。
結論から言うと、バーチャルオフィスだから審査に落ちるということはないと感じました。
バーチャルオフィスは想定されている
GMOあおぞらネット銀行の申し込みフォームには、バーチャルオフィスに関する項目が設けられています。つまり、バーチャルオフィス利用は銀行側の想定内です。
重要なのはバーチャルオフィスかどうかではなく、事業の実態があるかどうかだと思いました。
転送不要の簡易書留の受け取りに注意
口座開設後、キャッシュカードや書類が転送不要の簡易書留で届きます。バーチャルオフィス利用者にとって、この受け取りが意外なハードルになります。
「転送不要」のため、バーチャルオフィスに届いた郵便物を、(引越しで用いる)転送届により転送してもらうことはできません。
私が受け取った方法は以下の通りです。
- バーチャルオフィスに届いた不在票を確認する(オフィスからメール連絡)
- 不在票のQRコードから受け取り場所を指定する
- 最寄りの郵便局への転送を指定する
受け取り場所に「自宅」を指定すると、バーチャルオフィスの住所に再送されてしまいますので注意しましょう。
一人で不安なら口座開設サポートの活用も
バーチャルオフィスの中には、法人口座開設のサポートを提供しているところもあります。審査書類の準備に不安がある方は、こうしたサポートの活用を検討してみるのもよいでしょう。
事業承継で口座を開設する場合の補足
私の場合、既存の株式会社を解散し、その一部の事業を新しい合同会社に承継するという形での法人口座開設でした。
全くのゼロからの起業ではなく、事業の継続性があったことが審査においてはプラスに働いたと考えています。
事業承継を証明する書類としては、株主様向けの説明資料のほか、ASPの登録情報を解散法人から新設法人に切り替えたメールが有効でした。事業承継で口座開設を考えている方は、取引先やサービスの名義変更に関するやり取りを証拠として残しておくことをおすすめします。
口座開設後にやること:社会保険料の口座振替手続き
法人口座が開設できたら、早めに取り掛かりたいのが社会保険料の口座振替手続きです。
手続きの流れ
口座開設後、速やかに「健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」を日本年金機構の事務センターに郵送します。
注意点として、この手続きは電子申請に対応していません。窓口提出か郵送のみです。
GMOあおぞらネット銀行ならではのポイント
GMOあおぞらネット銀行では届出印がありません。そのため、通常必要な「金融機関の確認」が不要です。所定の様式2枚を、どちらも日本年金機構に送るだけで手続きが完了します。
口座振替が始まるまでのタイムラグに注意
年金事務所に問い合わせたところ、GMOあおぞらネット銀行での口座振替手続きは時間がかかる傾向にあり、銀行からメールが届いたらすぐに対応してください、とのことでした。
日本年金機構に「健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」を郵送してからちょうど2週間後に「口座振替契約の登録をお願いいたします」のメールが届きました。すぐに登録を完了させました。
口座振替が開始されるまでの間は、日本年金機構から「納入告知(納付)書」が届き、それで納付することになります。
納入告知書は毎月20日頃に送付されます。届くまでに数日かかりますので、納期限(月末)に間に合うよう注意が必要です。
特にバーチャルオフィスを利用している場合、郵便物の転送頻度によっては届くのがぎりぎりになる可能性があります。口座振替が始まるまでの期間は、転送スケジュールを意識しておきましょう。
申し込み時に知っておくとよいこと
最後に、申し込みにあたって知っておくとよいことをいくつかお伝えします。
GMO関連サービスのおすすめは申し込まなかったです
口座開設の手続き中に、ConoHa WINGやGMOサインなどGMOグループのサービスのおすすめがありました。ConoHa WINGはすでに使っていますし、電子署名は別のサービスを使っていますので、私は銀行口座の開設以外、何も申し込まなかったです。
デビットカードは必須ではない
口座開設時にデビットカードの発行を選択できますが、必須ではありません。マイクロ法人でATMを使う機会がほとんどないのであれば、カードなしでも特に困らないと思いましたので、私は申し込みませんでした。もちろん、これは個人の状況や好みによります。
提出書類はスクリーンショットやメールでもOK
申し込み時は「きちんとした書類」を用意しなければと思いがちですが、画面のスクリーンショットやメールのコピーでも受け付けてもらえました。追加書類を求められた際に慌てないよう、事業に関連するやり取りやデータのうち、時間が経てば消えるものについては特に、日頃からスクリーンショットで保存しておくと安心です。
携帯電話の番号でもOK
法人口座開設の審査で、固定電話の番号が必要な銀行もありますが、今回私は携帯電話の番号でGMOあおぞらネット銀行の法人口座の開設ができました。
まとめ
GMOあおぞらネット銀行での法人口座開設について、私の体験をお伝えしました。
- 新設法人・バーチャルオフィスでも、事業の実態を示せれば口座開設できる
- 追加書類を求められても慌てず対応すれば大丈夫
- 社会保険料の口座振替手続きは早めに着手しよう
法人口座の開設は、マイクロ法人設立の中でも不安が大きいステップのひとつです。この記事が、これから口座開設に挑む方の参考になれば嬉しいです。

