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役員報酬の決め方|変更できる時期と最初の設定

役員報酬の決め方|変更できる時期と最初の設定 稼ぐ

ひとり法人の社長が自分に払う給料が、役員報酬です。従業員の給料とは違い、役員報酬には「毎月同じ額で払う」「変えられる時期が決まっている」といったルールがあります。最初の設定を誤ると、法人税や社会保険料に影響が出ます。決め方と、変更できる時期を整理します。

役員報酬は「定期同額給与」が基本

法人税では、役員報酬を会社の経費(損金)にするための条件があります。ひとり法人で一般的なのが「定期同額給与」です。

定期同額給与は、1か月以下の一定の期間ごとに、毎回同じ額を払う給与のことです。毎月25日に30万円、のように払っていれば、この条件を満たします。

途中で金額を上げたり下げたりすると、その差額の部分が経費として認められない場合があります。

金額を変更できる時期

定期同額給与の金額を変えられるのは、原則として次の3つの場合です。

場合内容
期首から3か月以内の改定事業年度が始まってから3か月を経過する日までに、金額を改定する
臨時改定事由役員の地位や職務の内容が大きく変わったなど、やむを得ない事情がある
業績悪化改定事由会社の経営状況が著しく悪化したなどの理由で、金額を下げる

ふつうに見直すなら、1つ目の「期首から3か月以内」が基本です。たとえば9月決算の会社なら、10月から12月までに改定を決めることになります。決算月の決め方は「決算月の決め方|二刀流なら確定申告との重なりも考える」で説明しています。

設立1期目の決め方

設立1期目は、設立日から事業年度が始まります。役員報酬は、設立日から3か月以内に決めます。

金額を決めたら、株式会社なら株主総会、合同会社なら社員の決定として、議事録や決定書に残しておきます。ひとり法人でも、いつ・いくらに決めたのかを書面で示せるようにしておくことが大切です。

賞与を払いたい場合

役員に賞与を払う場合は、「事前確定届出給与」として、あらかじめ支給の時期と金額を税務署に届け出ておく必要があります。届け出た内容と違う額や時期で払うと、経費として認められません。

ひとり法人では、賞与を払わずに毎月の報酬だけにしている会社も多くあります。

社会保険料との関係

役員報酬の額は、社会保険料にも直結します。社会保険料は、役員報酬をもとに決まる「標準報酬月額」で計算されるためです。

  • 最初の標準報酬月額は、社会保険に加入したときの報酬の額で決まります
  • 役員報酬を変えて、標準報酬月額が2等級以上変わった場合などは、月額変更届を出して標準報酬月額を見直します
  • 毎年4〜6月の報酬をもとに、9月から標準報酬月額が見直されます(算定基礎届)

役員報酬を払い始める時期は、社会保険に加入する時期にも関わります。とくに、前の健康保険から切り替える人は注意が必要です。くわしくは「ひとり法人の社会保険|新規適用届と最初に決めること」で説明しています。

役員報酬から差し引くもの

役員報酬を払うときは、会社が次のものを差し引いて納めます。

  • 社会保険料の本人負担分
  • 源泉所得税
  • 住民税(特別徴収の場合)

源泉所得税は、「源泉所得税の納期の特例」を申請すると年2回にまとめて納められます。届出については「会社設立後の届出一覧」をご覧ください。

二刀流の場合の確定申告

個人事業を続けている場合、役員報酬は会社で年末調整をしても、個人の確定申告に給与所得として含めます。個人事業の所得と役員報酬を合わせて、所得税と住民税が計算されます。

二刀流の確定申告については「個人事業主とマイクロ法人の二刀流で確定申告は2回必要?実際の流れと注意点」でくわしく説明しています。

また、年金を受け取りながら役員報酬を受ける場合は、在職老齢年金のしくみで年金が調整されることがあります。「定年後のマイクロ法人活用〜在職老齢年金の1ヶ月ルールに要注意」もあわせて読んでみてください。

私は合同会社を設立したとき、はじめは設立した月の役員報酬をゼロにして、翌月1日から社会保険に加入するつもりでした。法人口座がすぐには開けないと思っていたからです。

ところが、法人口座が思っていたより早く開設できました。それなら、国民年金に1か月だけ入るよりも、切れ目なく厚生年金に加入したほうがいいと考え、設立した月から役員報酬を払うことにしました。

ただ、設立した月に会社の健康保険にも加入したことで、任意継続の保険料と同じ月に重なってしまいました。その失敗談は「ひとり法人の社会保険|新規適用届と最初に決めること」で紹介しています。

まとめ

  • 役員報酬は、毎月同じ額で払う「定期同額給与」が基本
  • 金額の改定は、原則として期首から3か月以内
  • 設立1期目は、設立日から3か月以内に決め、書面に残す
  • 賞与は、事前に税務署へ届け出た場合に限り経費になる
  • 役員報酬の額は、社会保険料と二刀流の確定申告にも影響する

役員報酬は、一度決めると1年間は原則変えられません。会社のお金の流れと、個人の生活費の両方を見ながら決めてください。

参考資料

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