会社の決算月は、設立時に自由に決められます。12月や3月にする会社が多いのですが、ひとり法人、とくに個人事業と並行する二刀流では、個人の確定申告と作業が重ならない時期を選ぶことで、年間の負担を分散できます。決算月を決めるときの考え方を整理します。
決算月とは
決算月は、会社の事業年度(会計の区切りとなる1年間)の最後の月です。たとえば決算月を6月にすると、事業年度は7月1日から翌年6月30日までになります。
事業年度は1年を超えられませんが、何月で区切るかは会社が自由に決められます。決めた決算月は定款に書きます。
決算月で何が決まるか
申告と納税の時期
法人税と消費税の申告・納税の期限は、原則として事業年度が終わった日の翌日から2か月以内です。決算月が6月なら、申告期限は8月末になります。
| 決算月 | 申告・納税の期限 |
|---|---|
| 3月 | 5月末 |
| 6月 | 8月末 |
| 9月 | 11月末 |
| 12月 | 翌年2月末 |
決算の2か月前後は、帳簿の締めや決算書の作成で忙しくなります。
1期目の長さ
1期目は、設立日から最初の決算日までです。設立した月の前月を決算月にすると、1期目をほぼ12か月にできます。逆に、設立してすぐ決算月が来ると、1期目が数か月で終わり、すぐに決算と申告の作業が必要になります。
たとえば、10月に設立して決算月を9月にすれば、1期目は翌年9月までの約12か月です。決算月を12月にすると、1期目は3か月で終わります。
二刀流は「作業が重なる時期」に注意
個人事業と法人を並行すると、両方の手続きが毎年やってきます。主なものを並べると次のようになります。
| 時期 | 個人事業 | 法人(役員報酬を払っている場合) |
|---|---|---|
| 1月 | 法定調書・償却資産の申告など | 年末調整の精算、法定調書合計表の提出 |
| 2〜3月 | 所得税の確定申告(3月15日まで) | |
| 3月 | 消費税の確定申告(3月31日まで) | |
| 6〜7月 | 社会保険の算定基礎届(7月10日まで) | |
| 12月 | 年末調整 |
ここに法人の決算と申告が加わります。決算月を12月にすると、申告期限は2月末で、個人の確定申告とまるごと重なります。決算月を1月や2月にした場合も、決算作業が確定申告の時期にぶつかります。
ひとりで両方の事務をこなすなら、個人の確定申告が終わった後、かつ夏の社会保険の手続きと重ならない時期に法人の決算を置くと、1年の作業が分散します。
二刀流の毎月・毎年の事務は「二刀流(個人事業×マイクロ法人)自力で事務手続き完全ガイド【月次・年次スケジュール付き】」にまとめています。
私の会社は、2社とも9月決算です。1社目の株式会社は10月に設立したので、最初の決算と申告までの期間をできるだけ長く取れるよう、設立月の前月にあたる9月を決算月にしました。2社目の合同会社は設立月が10月ではありませんでしたが、9月決算の流れに慣れていたので、同じ9月にそろえています。
9月決算だと、申告期限は11月末です。個人の確定申告とも、夏の社会保険の手続きとも時期が重なりません。
そのほかの判断材料
- 売上の多い時期を避ける:繁忙期と決算が重なると、決算作業の時間を取りにくくなります。
- 役員報酬の変更時期:役員報酬は、原則として事業年度が始まってから3か月以内に決めます。決算月は、役員報酬を見直す時期にも影響します。
- 税理士に頼む場合:3月決算・12月決算の会社が多いため、その時期は税理士事務所も混み合います。
決算月はあとから変えられる
決算月は、定款を変更すれば変えられます。決算月は登記事項ではないため、登記の手続きはいりません。ただし、税務署・都道府県・市区町村へ届出が必要で、変更した年は事業年度が1年より短くなります。
まとめ
- 決算月は会社が自由に決められ、定款に書く
- 法人の申告・納税の期限は、事業年度の終了から原則2か月以内
- 設立月の前月を決算月にすると、1期目をほぼ12か月にできる
- 二刀流は、個人の確定申告と法人の決算作業が重ならない時期を選ぶ
- 決算月の変更に登記はいらないが、税務署などへの届出が必要
決算月は、毎年同じ時期に忙しくなる月を決めることでもあります。自分の1年のスケジュールを書き出してから選んでください。

