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50人未満事業場でのストレスチェックの始め方

50人未満事業場でのストレスチェックの始め方 テレワークと産業衛生
50人未満事業場でのストレスチェックの始め方

※ご注意※ ストレスチェック助成金は令和4年度から廃止になりました。

労働者50人以上の事業場に義務付けられているストレスチェック。50人未満の事業場では当面の間は努力義務になっています。最近では50人未満の事業場でも、テレワーク環境で離れた場所にいる社員のメンタルヘルス不調の早期発見・早期対応や職場環境改善の切っ掛けとして、ストレスチェックの導入について問い合わせを頂いています。

テレワーク環境で働く労働者が「自分がストレスを受けている」ことに気づけば、

  • 気分転換をするための行動をする
  • 誰かに相談する

などの行動が取れて、ストレスが解消されるかもしれません。

一方で、「自分がストレスを受けている」ことに気づかないままに、職場から離れた場所で一人で頑張り続けていれば、ストレス状態が長く続き、メンタルヘルス不調の症状が出てくるかもしれません。

ですので、できるだけ早くに自らのストレスに気づくことが大切だと考えます。

ですので、50人未満の事業場であってもストレスチェックをぜひ導入していただきたいと思います。

この記事では、次の順番にストレスチェックの始め方を解説します。

  1. ストレスチェックの流れ
  2. 50人未満の根拠
  3. 労働者数の数え方

ストレスチェックの流れ

ストレスチェックの流れ

ストレスチェックの流れ

  1. ストレスチェックの実施について審議
  2. ストレスチェックの実施
  3. ストレスチェックに係る面接指導等の実施
  1. ストレスチェックの実施について審議
  2. ストレスチェックの実施
  3. ストレスチェックに係る面接指導等の実施

ストレスチェックの実施について審議

ストレスチェックの実施について、次のような事項を審議します。

  • 事業主による方針の表明
  • (50人以上の事業場に設けられる衛生委員会に相当する)労使での調査審議
  • ストレスチェック制度実施規程の作成
  • (産業医からの助言)
  • 労働者への説明・情報提供

≫ ストレスチェック制度実施規程例(page 19-25をご参照ください)

ストレスチェックの実施

医師または保健師等によるストレスチェックを実施し、実施者はストレスチェックの結果を労働者に直接通知します。

ストレスチェックに係る面接指導等の実施

ストレスチェック実施後、労働者から事業主へ面接指導の申出があれば、事業主から医師へ面接指導の依頼をし、医師による面接指導を実施します。

事業主は医師から意見を聴取し、必要に応じ就業上の措置を実施します。

ストレスチェック受検から医師面談(面接指導)の流れ

事後対応は上記の図の流れになります。

ここからは、医師による面接指導を、公的機関を使って無料で行う方法を紹介します。

独立行政法人労働者健康安全機構が運営する地域産業保健センターをご存じでしょうか?

地域産業保健センターは働く人の健康管理のための公的な機関です。

全国約350か所にある地域産業保健センターでは、50人未満事業場の事業主や労働者を対象として、労働安全衛生法で定められた産業保健サービスを【無料】提供しています。

  • 健康診断の結果について、医師からの意見聴取
  • 長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導
  • 労働者の「こころ」と「からだ」の健康管理に関わる相談
  • 専門スタッフによる個別訪問指導

大阪府地域産業保健センターでは「高ストレス者の面接指導」がサービス内容に含まれていますが、地域によって高ストレス者に対する面接指導のサポートが無いかもしれませんので、事業所所在地を管轄する地域産業保健センターのサービス内容をご確認ください。

≫ 地域産業保健センター(リンク先の画面下の都道府県名から各地域産業保健センター連絡先に移動できます)

常時50名以上の労働者を雇用する事業場とは

常時使用労働者が50人以上の判断

「常時使用している労働者が50 人以上いるかどうか」の判断は、常態として使用しているかどうかで判断されます。例えば週1回勤務のアルバイト、パートタイマーや派遣社員であっても労働時間の長短にかかわらず、継続して雇用し、常態として使用している状態であれば、常時使用している労働者として50 人のカウントに含めます。なお派遣社員の場合は派遣元と派遣先の両方で人数に含まれることになります。

事業場の適用単位の判断

「事業場」とは、行政通達(平成11年3月31日基発168号)によると、事業の適用単位は次のように考えられています。

  • 事業の名称又は経営主体等に関係なく、相関連して一体をなす労働の態様によって事業としての運用を決定する。
  • 一の事業であるかどうかは、主として同一の場所かどうかで決まる。原則として同一の場所にあるものは一個の事業とし、場所的に分散しているものは別個の事業とする。
  • 同一の場所にあっても労働の態様が著しく異なる部門(工場内の診療所、食堂等)がある場合に、その部門が主たる部門との関連において従事労働者、労務管理等が明確に区分され、かつ、主たる部門と切り離すことによって方がより適切に運用できる場合は、それぞれ別個の事業とする。
  • 場所的に分散している事業であっても、出張所、支所等著しく小規模であり独立性のないもの(新聞社の通信部等)は、直近上位の機構と一括して一の事業として取り扱う。

50人未満事業場でストレスチェックが努力義務であることの根拠条文

法律ではストレスチェックを「心理的な負担の程度を把握するための検査」と呼びます。

労働安全衛生法 第66条の10(心理的な負担の程度を把握するための検査等)

労働安全衛生法の第7章「健康の保持増進のための措置」(健康診断などの条文がまとまっている章です)にストレスチェックの条文があります。

下記の条文には事業場の規模は定められていませんので、50人未満事業場もストレスチェックが義務のように見受けられます。

第1項  事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。

労働安全衛生法 附則 抄 第4条(心理的な負担の程度を把握するための検査等に関する特例)

ところが、労働安全衛生法の末尾の「附則 抄」に【努力義務】の定めがあります。

第十三条第一項の事業場以外の事業場についての第六十六条の十の規定の適用については、当分の間、同条第一項中「行わなければ」とあるのは、「行うよう努めなければ」とする

労働安全衛生法 第13条(産業医等)

第13条第1項の事業場とは産業医の選任義務のある事業場(50人以上)のことです。

第1項 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。

労働安全衛生法施行令 第5条(産業医を選任すべき事業場)

法第十三条第一項政令で定める規模の事業場は、常時五十人以上の労働者を使用する事業場とする。

常時50人以上の労働者を雇用する事業場とは

常時使用労働者が50人以上の判断

「常時使用している労働者が50 人以上いるかどうか」の判断は、常態として使用しているかどうかで判断されます。例えば週1回勤務のアルバイト、パートタイマーや派遣社員であっても労働時間の長短にかかわらず、継続して雇用し、常態として使用している状態であれば、常時使用している労働者として50 人のカウントに含めます。なお派遣社員の場合は派遣元と派遣先の両方で人数に含まれることになります。

事業場の適用単位の判断

「事業場」とは、行政通達(平成11年3月31日基発168号)によると、事業の適用単位は次のように考えられています。

  • 事業の名称又は経営主体等に関係なく、相関連して一体をなす労働の態様によって事業としての運用を決定する。
  • 一の事業であるかどうかは、主として同一の場所かどうかで決まる。原則として同一の場所にあるものは一個の事業とし、場所的に分散しているものは別個の事業とする。
  • 同一の場所にあっても労働の態様が著しく異なる部門(工場内の診療所、食堂等)がある場合に、その部門が主たる部門との関連において従事労働者、労務管理等が明確に区分され、かつ、主たる部門と切り離すことによって方がより適切に運用できる場合は、それぞれ別個の事業とする。
  • 場所的に分散している事業であっても、出張所、支所等著しく小規模であり独立性のないもの(新聞社の通信部等)は、直近上位の機構と一括して一の事業として取り扱う。
(50人以上事業場)ストレスチェック実施義務のある労働者

一般健康診断の実施義務のある労働者と同じです。

  • 無期契約労働者、あるいは契約期間が1年以上の有期契約労働者(契約更新により1年以上になる場合を含む)
  • 勤務時間が正社員の4分の3以上の短時間労働者

なお、派遣先における派遣労働者には実施義務はありません。
実施義務のない短時間労働者にもストレスチェックを行うことは差支えありません。

(50人以上事業場)労働基準監督署への報告

1年に1回、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を労働基準監督署長に提出しなければなりません。

むすび

50人未満の事業場では、当面の間は労働安全衛生法のストレスチェックの実施が努力義務になっています。テレワーク環境で離れた場所にいる社員のメンタルヘルス不調の早期発見・早期対応や職場環境改善の切っ掛けとして、ストレスチェックをご活用頂ければ幸いです。

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